吾輩はネコである

２

その日学校に行くと、もうのどかが別れたという噂が広まっていた。

「おい高梨。」

のどかが学校に着くと、クラスメートの香坂祥太が話しかけてきた。

「お前また振られたのか？」

鬱陶しいなあと思いながらも頷くのどか。

「お前も不憫なヤツだよなあー！元気だせよー！」

可愛い女の子たちを総ざらいにしてしまうのどかに、クラスの男の子たちは良い気分にはならない。
しかしこの香坂とのどかは小学校からの腐れ縁で、のどかの性格を良く知る香坂からは同情されている。

「（今頃ネコは散歩楽しんでるかなー…。）」

のどかは教室の騒々しさの中で、昨日会ったばかりのネコに想いを馳せるのであった。