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 田辺くんは、まだ口をもぐもぐしながら、次のチーズバーガーの包みを開き始めた。  既にポテトは半分以上減って、単品で頼んだチキンナゲットは、残り一個になっている。  わたしはその食べっぷりに、ぽかんと口を開けて見入っていた。 「…ほうら、いいわふえへはへお」 「…え?」  ごっくん、と口の中の物を飲み込んでから、 「そうだ、言い忘れてたけど。俺、推薦受かったわ」 「えっ」  わたしは驚いてから、思わず小さな拍手をした。 「おめでとう…」 「サンキュ」  ニッと笑って、2個目のチーズバーガーを口に頬張る。 「じゃあ、お祝いしなくちゃね。…放送部のみんなと、それから…」 「ダメだよ、椎名」  田辺くんはそう言ってから、ストローでコーラをちゅうっと吸った。 「え、どうして」 「奈良崎も同じこと言ってたけど…。皆がこれから受験だっていうのに、お祝いなんかしてもらうわけにはいかないだろ」 「あ…。そか…」 「お前らも受かってから、春休みに一緒に盛大なお祝いしよーぜ。…春山先生も一緒に」 「…うん、そうだね」  わたしは笑顔を見せて、紙カップに入ったホットミルクティを一口啜った。
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