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「……」
荒い息をついて柔らかなふくらみの感触を確かめ、薄紅色の蕾に親指で触れると、美津が息を詰めたのがわかる。
固くなった蕾に顔を寄せても、美津は拒まない。
唇で挟むようにしてそれを口に含むと、微かな声と息づかいが耳に届いた。
しばらく唇と舌で舐めたりつついたりを繰り返すぼくの手をとる美津は、ぼくをソファに連れて行く。
眼前を歩く白い裸体は美しかった。
ソファに座り、さっきスケッチブックに描き上げたばかりのポーズをとる美津は、ぼくを見上げた。
「続きを……しませんか? ……二人で」
――家族は、と、今更なことを訊く。
ぼくと二人きりの居間のソファで裸になり、自分をモデルに全身を描かせているのだ。
日頃から不在がちなんだなということくらいは気づいていたが。
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