第1話

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そんな訳で俺は今、学校へのショートカットのためにと山をママチャリ(魔改造を施してあるため魔魔チャリとも言う) を砂煙舞い上がらん速度で駆け抜けているわけだ。 映っては消え、映っては消えを繰り返す葉っぱの無いまだ冬の名残を残した木々達を尻目に俺はママチャリを精密巧みに操りながら山の中を爆走していた。 ちなみにこの自転車は物好きな幼馴染が改造を施した代物で最高時速は50キロという原動機が付いていてもおかしくない自転車だ。 だから、この山路を最高速度で駆け抜け、山を下り、すぐ曲がれば目の前には学舎が待っているはず。 そう、このまま何も起きることなく予定調和のままに事が進めば俺の勝ちだ。 今なら重たい荷物を持ったお婆ちゃんだって無慈悲に轢き飛ばしてでも俺は学校に辿り着いてやる そんな意気込みだ。
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