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グッシャアアアアアアアンンンンン!!
そんな意気込みだった俺の身体は宙に浮いていて、綺麗に背中から地面へとダイブした。途中、地面に着地するまでの一瞬で近くにいた黒猫がつぶらな瞳でこっちを見ていたのがわかった。
そりゃ大の人間が宙を舞ってたら猫ちゃんだってそんなリアクションになるわな。
「ゴホッゴホッゴホッ!!」
地面に叩きつけられ、肺に溜まっていた空気が一気に逆流し、咳となって外に排出される。
そして訪れる俺なにやってんだろ的な問いが頭を駆け巡った。
俺がママチャリから地面へとダイブした理由は自分で分かっていた。
別に段差に躓いたわけでもなく、轢き飛ばされたお婆ちゃん(未遂)の呪いでも無かった。
そう。一羽の雛。
俺のママチャリの直進軌道上に雛が落ちていて、それを踏み潰すまいと俺は避けたのであった。
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