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カラカラカラと空回りする自転車のタイヤの音が静かな森に響く。
因みにこのママチャリは幼馴染の魔改造によってほんのちょっとの事では壊れないらしい。
ホント、幼馴染って偉大だな~
そんなことはさておき、俺は自転車を起こした。
これでも俺は遅刻している身分。
これ以上無駄な道草を食っている暇などどこにもないのだ。
そして自転車にまたがろうとした時、あることに気がついた。
あること、というよりはある者なんだけど。
近くの気の上にいる一羽の鷹が俺のことをじっと見ていた。
寸分狂うことなく、俺のことを見据えているその瞳に何の意味が込められているかはヒト科の俺には検討がつかなかった。
「ビィィィィィィィィ!!」
鷹が頭を前に突き出し、俺を威嚇するかのように鳴いた。
その瞬間、辺りに鷹の方から一掃の風が吹き込んだ。
「え~っと、なんかゴメン!!」
とりあえずもう、俺は意味が分からなかったので、意味が分からないが故に謝りママチャリを出した。
きっとアレだ。
あの鷹は雛の親で、俺が轢き殺そうと見えたに違いない。
第三鳥の視点で見たらそうだったんだそうに違いない。
文字通りとんだモンスターペアレントですな!!あっはっはっは!!
そんな超絶くだらない事を考えていたら俺の高校の朝の朝礼の始まりのチャイムが遠くから聞こえてきた。
坂道の下り、向かい風を浴びながら今日は二限目から授業に出ようと、決心する俺であった。
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