5人が本棚に入れています
本棚に追加
声がした方に顔を向ければ、傘をさし、にこやかにこちらを見る青年がいました
(…この人が言ったのでしょうか?)
首を傾げながら青年を見れば、青年がこちらに近づいてきました
よく見れば青年は周りの人達より上等な服を着ています
端正な顔つきをしているためか、すれ違う女の人は青年を見て、顔を赤らめています
私の前まできて傘を私の方へさしながら、青年は口を開きました
「君が言ったんでしょう? 働くなら住み込みが良いって。」
「まぁ、言いましたけど…」
傘を私にさす青年を怪訝に見てしまいます…
(何故私に傘を…?)
「だから、うちで働かない?」
青年はニッコリと笑ってそう言いました
それが彼と出会った最初の日でした
最初のコメントを投稿しよう!