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スローモーションのように、すぐそこにある四課までの距離が永く感じて、
二人、パーテーションを抜け出て、ゆっくり歩く。
「逃げやがって」
ボソリ、と。
気が付けば口からそう本音が洩れ出した。
――情けない。
美紗緒は驚いた顔をして、俺の顔を見上げる
――あ、なんか。
コイツの顔、こんな近くでゆっくり見たの
久しぶりかも。
俺は美紗緒が足りなくて足りなくて仕方ねーのに
コイツは俺と同じ気持ちじゃないのかと思ったら
情けなくて、言葉が全く出てこない
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