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通いなれた、駅までのみち
永く勤めて。コイツとこんな風にこの景色を見たことなかったかも、って
急に、感慨深くなる
「お前はすぐ、そうやって離れてく」
――ふいに、口からこぼれた本心
「どうやったら、大人しく側にいんの?お前」
もう、フラフラすんな。
「そ、それって」
美紗緒の顔がみるみるうちに赤く染まっていって
俺を満足させる表情を見せた
「はぁ?」
急に気恥ずかしくて、すっとぼける
美紗緒が俺だけに見せる、そのカオが。
久しぶりに見れて、やっぱり顔が、緩む。
いかん、デレてしまう、と、顔を引き締める
「お、怒ってないの?」
「は、なんで」
「連絡なかったし」
――ああ。
我慢出来なくて、焦ってんの見せたくないだけだった。
とは、死んでも言えない
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