決着

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「お前がしてこねーだけだろ」 またすっとぼけて、誤魔化す 俺、ずっとこうやって、く、の? 急に、過る疑問。 「異動のことも――」 「ああ、部長から聞いてたしな。今の部署はゆくゆくは二課に吸収だよ」 「え、そうなんですか」 「ああ、俺の課になんの。お前コキ使ってやろーと思ってたのに、持ってきやがって」 余裕見せて 「え?まさか昇進ですか?」 「当たり前だろ」 余裕なんか、――ないくせに 「お、おめ――」 「で、お前は」 「え?」 「いつになったら」 目の前には、地下鉄の入り口 交差する、人の流れと それをせき止める、俺 「はっきり言わねーと、ダメなわけ?」
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