決着

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「……」 自分の中で、勝手な達成感。 いや、この期に及んで、まだ素直になりきれない俺が、いる って、頑張ったって。思ってたら 「まって」 「――は?」 歩き始めた俺の腕を掴んで、美紗緒が小難しい顔で俺を見た 「そんなんじゃ、やだ」 「何が」 「そんなん、ヤです」 ――イヤ、って。何が…… 「ちゃんと、言ってください」 な、ん、だ、とっ 「言う、って」 焦る。 「あ、あるじゃないですか」 「何が」 「……な、何が、って」 ま、さか…… 「私の事、好きって――」 「バカだろ、お前。こんなトコで言えるかよ」 バカかテメーは。 「気合いで言ってください」 「そんな気合いねーわ」 「……」 誰がこんな道のど真ん中で、そんなふざけた事口にするんだよ 「後でいーだろ」
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