決着

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その場しぎで。 ――後でもクソも。 言うつもりなんか、なかった 「後で?」 「早く。邪魔だろ、こんなトコでウダウダしてたら」 「そっちが始めたんじゃないですか」 「うっせえ」 「いーですけど」 「行くぞ」 「ちゃんと忘れないでくださいね」 「何が」 おまっ、どんだけ食い下がるんだよ 「愛の告白ですよ」 「お前アタマおかしーんじゃねーの?」 やけに調子づいてる美紗緒に、開き直ってとぼけてみた ――け、ど。 ドン、と体当たりしてきた無邪気な美紗緒の姿に。 こういうのも、悪くない。って、考えていた。 二人、並んで歩く駅の地下通路。 「子供みてーなことすんなよ」 「どっちが子供っ」 「お前」 わかってるよ、 俺の方がガキで お前が間違ってるなんか、思ってない いつだって、お前は。 ――間違えて、ないよな。
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