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あ、ヤバ。
これは、ナイ。
臭すぎだろ、俺。
こっぱずかしくて、美紗緒の頭に顎をのせる。
あー、
久しぶりの、美紗緒。
美紗緒も、俺の身体にくっついて
随分ご無沙汰していた、この温もり。
「あ、マスカラついた」
惚けた声とともに
美紗緒の明るい声に、安堵する
「いいし、別に」
「ごめんなさい」
「買えばいーだろ、新しいの」
「そん――」
「お前が」
くはっ。
俺の声に、固まる美紗緒。
かと、思いきや。
「買います」
って、おい。
「嘘だ、っつーの」
「わかんないからそれ」
「わかんだろ、お前」
「いーや、わからなさすぎ毎回」
いーや、
「それが俺だろ」
俺にどこまで、壊れろ、と?
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