迷い

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佐伯さんの姿をぼんやり頭に浮かべながら、机の中に荷物をしまいこんでいく 「あ、いつ歓迎会やる?」 「えー、もういいよ。すぐそこから来ただけなのに」 「んなわけにはいかないだろー。あ、出野部長に高い飯食わしてもらおーぜ」 「あ、それはいいかもしんない」 二人で冗談言って笑っていたけど、確かにアリだな。と、考えていた。 出野部長といると、気楽で仕方ない。 悩みも全部受け止めてくれて、それでいて私の事を本当によく見て、よく考えてくれているのがわかる。 大人。 あんな風に、歳をとりたいし、 あんな風に、まわりに気遣いが出来て業績もきちっとあげてる。 昔は空気読めない部長、だなんて思っててすみません。 いまならわかる。 出野部長が求めてくるものに、素直に返していけば 私は、伸びるし。 安心感の度合いが、半端ない。
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