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『来週の土曜日、…ダメになった』 「…え…」 『ゴメン。…小林先生の代わりに、会合に出なきゃならなくなって』 「…そうですか…」 『誘っておいて、悪い』  かなり楽しみにしていた分、落胆は大きくて、…目の奥の方が、じわりと熱くなる。  それでも、その気持ちを押し隠して、わたしは出来るだけ明るい声で言った。 「お仕事だもの、仕方ないですよ。…また、いつでも行けるんだし」 『……』  先生が黙ってしまうと、わたしも言葉を発することが出来ず、長い沈黙が降りた。 『椎名』 「…はい」 『今、泣きそうだろ』 「…そんなこと、ないです」 『…嘘だ』 「ホントですよ」 『絶対、涙目』 「…違うってば…」  言われているうちに、本当に涙が滲んで来る。 『じゃあ、今から確認しに行く』 「……」 『今日は、何時に帰ればいい?』 「――10じはんっ」  嬉しさに満ち溢れた声で応えると、先生の呆れたような笑い声が聞こえた。
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