1109人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
「大丈夫?先生…」
「……」
再び切り株風の椅子に腰かけたわたし達は、それぞれ飲み物を手に、やや放心していた。
言葉少なに飲み物を飲み終えると、わたしは気を取り直して遊園地の案内図をぱらりと開いた。
「次は何にしよう…」
ぽつりと呟くと、先生は時計に目をやった。
「次で、ラストだな」
「……」
「…また、…そうやって、膨れる」
「……」
先生はフッと笑って、
「…最後はお前の乗りたいもの、付き合うから。好きなの選んでいいよ」
優しく頭を撫でてくれた先生の顔を、ちら、と見る。
「ホントに、…いいんですか?」
「ん?」
「わたしが乗りたいもので…」
「…いいよ、何でも。もう一度、ジェットコースターでもいいし」
「……」
わたしは、案内図に乗っているアトラクションの写真を指差した。
先生がそれを覗き込んで、固まる。
「…これがいい」
「…お前、一人で乗れよ。俺、見てるから」
「…ダメ、先生と一緒に乗るの」
「…無理」
「あっ…。嘘つき!何でもいいって言ったのに」
「絶対、ヤダって」
「…先生と乗りたいのに…」
「とにかく、これだけはホントに無理。…絶っ対に乗らないから」
最初のコメントを投稿しよう!