横断歩道とボーダー

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310号室に着くと、焼き魚の臭いがした。 「今晩は」 トオノさんはピンポン押さずに上がりこむ。 私も続く。 「どーも。急にごめんな」 この室の住人は関西弁だ。 「すいません、遠慮なく来ました。」 頭を下げる。 「えーっと、なにちゃんなの?」 「ラムちゃん」 トオノさんが笑いながら言う。 「今日はちゃいますって。斎藤律花です。」 「リツカ?」 「はい。」 トオノさんが言うと不思議な感じだ。 三階さんも自己紹介してくれる。 「マキタアツシ。22 そこの裏の大学。こいつの先輩」 トオノさんはいくつなんだろ。 「リツカちゃんいくつよ」 「20そっちは?」 「同じ。」 そっか。 大根はトオノさんによっておろされ、秋刀魚の横に乗った。 ご飯もあったので、ここで食べていきな、と言われたが、お茶碗を取りに戻った。 「お酒、要りますか?」 二人とも飲めるというので、日本酒を持って降りた。 他の住人と会わなくてよかった。
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