6人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃー、引き止めてごめんね。また帽子コレクション見せて。」
「はい。あ、何階?」
「ごーぜろにー」
502号室か。
「私は703。」
「じゃ、またね」
ヒラヒラと手を振って、繁華街の方へいく彼の足取りは軽やかだった。
私もそっちに行こうと思ってたんだけど、何だか付いていくのも変かなと思って、一本裏の道を行った。
碁盤の目と言われる街、私はなるべく通ったことのない道を通って目的地へ行ってみる。
大通りから一本入るだけで、民家があったり古い店があって面白い。
「あ、名前聞いてないわ」
さっきの男の子。
年は同じくらいかな。
背も同じくらいかも。
ご近所さんか。
ボーダー、私は持ってない。似合わないから。
イタズラ小僧みたいで似合ってたなあ。
何だか楽しい気分で、帰りに商店街で大根を買って帰った。
最初のコメントを投稿しよう!