横断歩道とボーダー

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「じゃー、引き止めてごめんね。また帽子コレクション見せて。」 「はい。あ、何階?」 「ごーぜろにー」 502号室か。 「私は703。」 「じゃ、またね」 ヒラヒラと手を振って、繁華街の方へいく彼の足取りは軽やかだった。 私もそっちに行こうと思ってたんだけど、何だか付いていくのも変かなと思って、一本裏の道を行った。 碁盤の目と言われる街、私はなるべく通ったことのない道を通って目的地へ行ってみる。 大通りから一本入るだけで、民家があったり古い店があって面白い。 「あ、名前聞いてないわ」 さっきの男の子。 年は同じくらいかな。 背も同じくらいかも。 ご近所さんか。 ボーダー、私は持ってない。似合わないから。 イタズラ小僧みたいで似合ってたなあ。 何だか楽しい気分で、帰りに商店街で大根を買って帰った。
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