横断歩道とボーダー

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マンションで、郵便受けを見る。 ボーダー君の所へ行って名前を見る。 『遠野』 「トオノさん」 「はい。」 「これあげます。」 裸のお姉さんの載ってるチラシを入れてあげる。 「ああ、これね。開けるときにちょっと楽しみにしてるから、先に見せるのやめてよ」 爽やかな顔してなんてこと言うんだ。 「引いた?体より顔を見てるんだからね?そこ誤解しないでよね」 「いや、どっちかというと今の力説のが引きましたわ」 エレベーターで横に並ぶと、同じくらいの高さに顔がある。 これも緊張しない要因か。 もちろんトオノさんの人あたりも良いのだけど。 ふいに、帽子を取られた。 それをトオノさんがかぶり、エレベーター内の鏡の前で、つばの角度をたしかめている。 「どっちかってーと、今日の俺のカッコの方が似合うよね。」 「ジャミロクワイ...」 「今日のご飯は何なの。大根で何作るの?」 「サラダ」 五階でトオノさんは降りた。 「いやいや、あげませんよ?」
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