横断歩道とボーダー

7/11
前へ
/37ページ
次へ
私も降りた。 しれっと帽子を被ったままのお兄さんを追いかけて。 「あ、気づいちゃいました?」 「それ、試作品なのであげられません。」 「試作品て?」 「私が作ったんです。で、第一号だから、縫い直しとかしたし、裏の処理とか甘いんです。だから自分用。」 「すごいね。」 トオノさんは帽子を手にとって見ている。 フサっと、私のこと頭に戻してくれた。 「じゃ、またね」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加