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「許せない…」 そう呟く生徒、柳玲音 平凡な顔立ちで知られる2年S組の生徒だ 「落ち着いて下さい、玲音様」 と諭すように話す男性、塚本和希 この学園で数少ない執事科の生徒だ 一般には公にされていないため、知る者は少ないが… 「僕の自由を奪おうなんて…、許せる訳ないだろ!」 と塚本の顔をキッと睨み、再びモニターに視線を向ける柳 塚本も主の暴走を一刻も早く止めるため空かさず反論する 「ですが玲音様、相手は仮にも財閥。流石の玲音様でも厳しいのでは?」 画面の中では走っていく2つの人影と立ち尽くす人影が2つ その少し離れた位置に、その様子を伺うかのように潜む人影が1つ… 「漸く手に入れた自由を見す見す逃して堪るもんか!」 と柳は意地になり始めた そして最後の1つは校舎内から窓辺のこちらに向いてスマホを操作している 塚本は呆れたように…はぁ、と溜め息を吐くと 「解りました。その代わり、ご自分の言動にはそれ相応の責任が伴うことをお忘れなきように…」 と意味深な念押しをした
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