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会長がホッチキスで止められた3、4枚の資料を役員に回し、口を開く。 「転校生の編入日は3日後。別の私立高校に通っていたが問題を起こし退学。理事長の甥らしく、コネで編入のようなものだな。」 と一旦言葉を切ると彼は周りを見渡しこう続ける。 「3日後の朝8時、校門前に転校生を迎えに行ってほしいそうだ。透、おまえが行け。」 そう言い放つと視線を画面へと戻してしまった。 「はい?あなたが直々にご案内なされば宜しいのでは?」 まるで、なぜ私があなたのような低能野郎に命令されなくてはならないのだ、といった声が聞こえてきそうな表情で会長を見つめる。 会長は我関せずといった風に目線をあげることなく。 「透が一番適任だからだ。高圧的な俺が行けば理事長に反感を買うだろう。チャラ男の遊が行けば理事長室に行く前にベッドの中だ。双子は転校生で遊ぶだろうし…。惣だと会話が成立しない。」 ああ、そうだった…、と言いたげな表情の副会長。 双子とワンコは自覚済みなのか文句を言わない。 「何でベッド~?ちゃんと案内するよ~。」 と、文句ありげな顔で会長を睨むチャラ男。 そんなチャラ男をバッサリ 「だが事実だ。」 と切り捨てる会長。 そんな中今まで2人のやりとりを見ていた副会長が会長を見つめ 「わかりました。案内へは私が行きます。案内前日と当日は転校生の方により良い案内を行うため私の職務はお二人にお任せ致しますね。」 と言い切ると、二人が反論する暇もないうちに出ていってしまった。 「アイツ…」 とさも苛立たしげに呟く会長。 「いや、俺、関係なくない~?」 と素で意味がわからないといったように小さく呟く会計。 そんな2人をよそにキーボードを叩く3人。 今日も自由な役員たち。 「波乱の予感。」 と意味ありげに呟く会計。 この予感、実は当たっていると言うことに気づく者はおらず、静かな室内で誰かに聞かれることもなく空中に溶けていった。
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