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宮井透(副会長)side
特別校舎に向かい歩いていると
「…だ、気に…る?」
と隣を歩く惣次郎に声を掛けられた
チラリと横を見ると彼は前を向いたまま歩いている
「何の事でしょう?」
と平静を装い、聞き返すと彼は静かに立ち止まった
彼を追い抜いてしまった私は振り返り彼を見る
「わか…る…しょ?」
黒い瞳に真っ直ぐに見つめられ、息が詰まる
「…ですから…何を、と申したでしょう」
それでも白を切り続ける私に彼はほとんど変わらない表情を少し歪め
「そ…か」
と小さく呟いた
そんな顔をさせたかった訳じゃない
怖かった…
生徒会の彼らはきちんと自分の足で立っているというのに、私は過去に囚われたまま
記憶は私を縛り恐怖だけを与え続ける
どんなに時間が過ぎても忘れることなんてできなかった
そんな弱い自分を知られるのが、軽蔑されるのが…、どうしようもないくらい怖かった
もうこれ以上裏切られるのは御免だと思っていたのに、彼らの側は想像以上に暖かくて…、気づいたら失いたくない、そう思っていた
私は間違ってない、…そう思い込むのに、自分のことに必死だった
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