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だからこそ、宮井様の学園生活を壊そうとする転校生が許せない
「分かった。すぐ行く」
──
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静かに言うと携帯をパタリと閉じる乃木
電話の言葉通り、早足で急ぐ
彼を動かすのは宮井透への想いのみ
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多数で追いかけまわされたため鈴野とはぐれ、一人で第二特別棟の中を歩く風見
暢気に歩く風見が背後から近づく気配に気づいた時は、既に薬品の染み込んだ布を当てられてからだった
第二特別棟に誘導させられたことは勿論、この特別棟が旧校舎であることも、一般性は立ち入り禁止だということも、転校生の風見は知るはずもない
──
─
バンッ
突然の頬への衝撃に目を見開く風見
慌てて周りを見ると
「お、お前たちは誰だっ!」
とすぐに叫び声を上げる
、が周囲の男の一人の机を蹴る音に先の言葉をのみ込む
暗に“黙ってろ”と言われたようで、普段騒がしい風見も口をつぐむ
手足の拘束を解くため、頻りに擦り合わせるがキツく結ばれているのかびくともしない
男達の人数は5人、しかも皆一様に逞しい体つきをしていて、縄が解けたとしても到底風見に助かる見込みはない
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