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リクは男子の試合を見学する鳩美に、声をかける。
「リク君、あたしお友達ができたの!」
「え」
横で鳩美は、嬉しそうな桜を凝視。
「それ、あたしのこと?」
「うん。鳩美ちゃんのことだよ」
「ちょ・・・鳩美は名字だから」
「そうなの?でも、可愛いからみっちゃんでいいかな?」
「みっちゃん?・・・別に、何でもいいけど・・・」
そんな2人のやり取りを、リクは少し微笑んで見ていた。
鳩美は、ほとんど持ち上がりのこのクラスに、数名別のクラスから入ってきたうちの1人。
ギャル集団といたり、1人でいたり、なんとも自由な奴だった。
決まったつるみはしていない。
でも、女子からは信頼があるのだ。
一見チャラそうで適当そうだが、実は面倒見がよくて、頭も悪くないことをリクは知っていた。
「あっ、リク君、試合するの?」
ビブスを被るリクに、桜はウキウキ近づいてきた。
「おー」
「わぁ、楽しみ!!頑張ってね、リク君!」
「あー、けどあんま期待すんなよ?
バスケなら、昌秋が上手いから、あいつのこと見てな」
「昌秋君?あの、大きい人?
・・・わかった!でも、リク君のことばっかり見ちゃうかもしれないな」
リクは少し照れたように、髪をかきあげた。
「んなうまくねーよ、バスケは。オレ元サッカー部だし」
「サッカー?・・・あ、あれだよね、たまに学校のお庭でやってるの見えたの。
黒と白のボール、追いかけるんだよね」
「そーそー。んじゃ、いってくるわ」
試合が始まると、女子はステージに座ったり、サイドに座り込んで応援した。
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