第1話

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リクは男子の試合を見学する鳩美に、声をかける。 「リク君、あたしお友達ができたの!」 「え」 横で鳩美は、嬉しそうな桜を凝視。 「それ、あたしのこと?」 「うん。鳩美ちゃんのことだよ」 「ちょ・・・鳩美は名字だから」 「そうなの?でも、可愛いからみっちゃんでいいかな?」 「みっちゃん?・・・別に、何でもいいけど・・・」 そんな2人のやり取りを、リクは少し微笑んで見ていた。 鳩美は、ほとんど持ち上がりのこのクラスに、数名別のクラスから入ってきたうちの1人。 ギャル集団といたり、1人でいたり、なんとも自由な奴だった。 決まったつるみはしていない。 でも、女子からは信頼があるのだ。 一見チャラそうで適当そうだが、実は面倒見がよくて、頭も悪くないことをリクは知っていた。 「あっ、リク君、試合するの?」 ビブスを被るリクに、桜はウキウキ近づいてきた。 「おー」 「わぁ、楽しみ!!頑張ってね、リク君!」 「あー、けどあんま期待すんなよ? バスケなら、昌秋が上手いから、あいつのこと見てな」 「昌秋君?あの、大きい人? ・・・わかった!でも、リク君のことばっかり見ちゃうかもしれないな」 リクは少し照れたように、髪をかきあげた。 「んなうまくねーよ、バスケは。オレ元サッカー部だし」 「サッカー?・・・あ、あれだよね、たまに学校のお庭でやってるの見えたの。 黒と白のボール、追いかけるんだよね」 「そーそー。んじゃ、いってくるわ」 試合が始まると、女子はステージに座ったり、サイドに座り込んで応援した。
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