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キーンコーン カーンコーン…
キーンコーン カーンコーーン…
「リク君、音がなったよ。行かなくちゃ」
「…いいよ、このままサボろーぜ。せっかく、会えたんだから」
「え、でも…」
「大丈夫だよ、何か言われたらオレが何とかすっからさ」
「うん…わかった」
そうして、リクは少女―…桜と共に、1時間をそこで過ごした。
休み時間になった時、リクはようやくその教室から出た。
教室を出るとき、少女が最後に言った。
「…最後の花びら。…受け取ってくれて、ありがとうね」
リクは1年半前の、最後の時を思い出した。
あの時握った桜の花びらは、大事にとってある。
母親に頼んだら、綺麗にドライフラワーのしおりにしてくれた。
リクの、小さな宝物だった。
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