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その提案に、もちろん頷けるはずもなく、あなたは無言で男に答えました。
「じゃあ……言いたくなるまで、その身体をなぶるだけだ」
そう言うと、男は再び、優しく愛撫し始めました。
首筋を唇で吸われ、両の指先で身体中をくすぐられるようにして愛撫され、ベッドの上で身をくねらせながら、あなたは男に問いました。
なぜこんなことをするのか、と。
あなたの胸と脇腹を指先でくすぐりながら、男がおかしそうに答えます。
「君が気に入ったから」
男が囁きます。
「気に入ったんだよ。君が。僕のものにしたい。快楽っていう鎖で縛りつけて……僕から離れられなくしてやるよ」
時間はまだまだたくさんあるからな。
男の勝ち誇ったような声。
あなたは思いました。
少しずつ、この残酷な男に惹かれている自分を。
倒錯的な思いに、いつかは身を委ねてしまうだろう自分を。
そんな思いに支配されながら、あなたはなすすべもなく、声を上げ続けるのでした。
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