第6章 筆頭局長

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「…………これはどういうことだ?」 「えーっと……すぐに片付けますね」 なんとかその場を取り繕い、片付けを始める。 事の起こりは私が縁側で縫い物をしてたときのことだった。 ーーーー・ーーーー・ーーーー 「おーい、帰ったぞー」 ………誰でしょうか? 何故か帰ってきたことを伝えたがるその人。 すぐにお出迎えしなければなりませんね。 こういう人は無視をしたら色々と面倒になるに決まってます。 縫い物が途中だが仕方が無いだろう。 すぐに立ち上がり玄関へ急いだ。 「おかえりなさい」 私が玄関に急いでいるとちょうどその人に会えた。 後ろに数人いるが彼の連れだろうか。 「おかえり、芹沢さん」 「おう、藤堂か」 藤堂さんは軽く挨拶をすると何処かへ行ってしまった。 この人が芹沢局長……。 がたいが大きい彼の後ろから他の人達も入ってきた。 そういえば壬生士組は近藤局長率いる試衛館派と芹沢局長率いる水戸派の2つの派閥に分かれているらしい。 考え方の違いか何かがあったのだろう。 そしてこれは私の推測だが、この人たちは皆芹沢派。 「お勤めご苦労様です」 聞くところによるとちょうど昨日の昼前にどこかに出かけて行ったとのこと。 いろいろとあって入れ違いになっていたようだ。
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