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皿洗いを終わらせた私は土方副長の言いつけ通り部屋にやって来ていた
声をかけて部屋へ入るとそこには山崎さんもいたようで土方副長に向いあって座っていた
私も土方副長と山崎さんの二人の顔が見える位置、つまり小さな円を作るように正座をし座る
「単刀直入に聞く。お前は何者だ?」
何者……?
急にそんなことをいわれても……。
しかし適当なことをいうわけにはいかない
土方副長の目を見れば本気だということがわかる
「何者なんでしょうか。」
「お前俺をおちょくってんのか?」
副長青筋が……眉間にシワが………!
返答に困り同じく部屋に呼ばれていたのであろう山崎さんを見た
当たり前だが山崎さんはこちらを見ておらず、依然土方副長の方を見て話を聞いていた
「ああ、一ヶ月前から二年間、記憶がないのだそうです。」
そんな山崎さんだったが私の視線に気がついたらしくすぐに助け舟を出してくれた
しかしそれを聞いた土方副長は先ほどよりも一段とシワが濃くなる
「そんなの信じられるか。」
「ですが、嘘をついているような
目はしていませんでした。」
「お前はそれでも観察方か?
そんなことですぐに信じ込むな。」
土方副長はなおも庇ってくれたらしい山崎さんに少々怒り気味に言った
なんだか厳しいですね。
「はぁ…。」
山崎さんも曖昧に返事を返す
これは私から何か言っておいた方がよさそうな気がします
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