第7章 空白の二年間

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それから少ない荷物を山崎さんの部屋に移動した。 「よろしくお願いします、山崎さん。」 「はい、よろしくお願いします。」 とりあえずはあいさつをしたが、どうすればいいのだろうか。 なんとなく変な空気。 先ほどの話のせいだろうか。 「ああ、そういえば。」 ……………? 不意に会話を振られ、少々驚きながらも次の言葉を待った 「二年前のこと調べたんですけど 何もわかりませんでした。 すみません。」 「そう、ですか。 こちらこそすみませんでした。 調べて頂いただけでもありがたいです。」 まあ正直あまり期待はしていなかった 私の出自がわからないのであれば二年前のことを調べることも不可能だろう 私がお礼を言うと山崎さんは急に布団を一式敷き始めた 何事かと思って見ていれば私を見て敷き終わった布団をとんとんと軽く叩く …………え? どういう? 「転んでください。」 「……はい?」
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