第7章 空白の二年間

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彼の言う意味が全くわからない なぜ私が転ばなくてはならないのか。 布団を叩いていたのはそういうことだったのだろうが、なぜ私? てっきり山崎さんが昼寝でもするのかと思っていた 「怪我してるんですよね。 斎藤さんから聞きました。 見せてください。」 何余計なことを言ってくれているのですか、斎藤さん。 いや、斎藤さんは良かれと思って 言ってくれたのかもしれませんが。 ものすごーく余計な一言でしたよ、それ。 「治療なら自分でできるので 問題はありません。」 というのも私が傷を見られたくないからだ まあこの人も肌を晒せと言っているわけではないだろうが、傷自体をあまり見せたくはない 今まで自分のことは自分でやってきたというのもあり、人に何かをしてもらうのは苦手というか……まあそんなところ もちろん今まで誰かに傷を見せてきた覚えもないし見せるつもりもないわけだ というわけで私としては丁重にお断りさせていただきたい
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