第7章 空白の二年間

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「じゃあ見せてください。」 は、いやいや。 今の返答でなぜそうなるのでしょうか。 「いや、大丈夫です。」 「一応、これでも、こう見えても! 俺だって少しくらいわかるんです! 見せてください。」 な、なんなんですか。 すごく必死ですね。 否定なんかしていないのに。 「はぁ…、わかりました。」 目が本気……。 そんなに酷い傷でもないのに。 そうはいってもここに来てから治療をしていないのも確かだ 仕方が無いから見せることにした 「じゃ、脱いでください。」 「…………。」 いや、これは固まっても仕方が無いと思います。 とりあえず意味がわからない……。 「一度だけ言いますね、何度も説明するのって嫌いなんです。 俺は後ろを向いていますから、着物を上だけ脱いで掛け布団をきてください。 怪我をしているところだけ出してくれればいいですから。」 それを早く言ってください! 大事なところを言うのが遅いです……! もう本気で何を言い出すのかと思いました。 「わかりました。」 待たせるのも悪いと思い、早く脱ごうと返事をしてからすぐに帯に手をかけた すると目の前にいた山崎さんが慌て出す 「は、ちょっ。 まだ後ろを向いていません!」 「え、早く向いてくださいよ。」 「わかってます!」 なるほど…。 山崎さんは女遊びとかしてなさそうですよね。 なんか少し安心しました。 流石に男の方と同室だなんて抵抗ありますし。
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