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「それどういうことですか?」
瞬間、少しだけ声が低くなった
治療をしているために下を向いたままの山崎さんからは表情が伺えない
「どういうことって……そのままですよ。
………っちょっと、触らないでくださいっ!」
「は、それじゃあ治療できないじゃないですか。」
「ーーーーっ、やめてください!
やっぱり自分でやります!」
耐えきれず叫んでから布団をかぶる
私が傷を見られたくない理由はここにもあったのだ
私は人から触れられるのが苦手……というか嫌い
それは傷を見せて治療をしてもらえば自分に触れられることになるから
「ちょ、中途半端ですよ!」
「自分でやりますからっ!」
「…………はぁ。
わかりました。」
何度言っても聞かない私に山崎さんは大きくため息をついてから部屋を出て行ってしまった
それからゴソゴソと布団から抜け出してから自分で治療の後処理をする
うーん、山崎さんはどうしましょうか。
……まあそのうち帰って来ますよね。
今のうちに仮眠しておきましょうか。
それから治療を終わらせるとすぐに寝てしまった
第7章 空白の二年間 -end-
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