第8章 もしもつけられていたら

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昼餉が終わり皿洗いを終わらせると今度は掃除に取りかかる 今日は副長に呼ばれているため早めに終わらせようと考えながら手を動かした いつもながら薄汚い廊下を雑巾で綺麗に拭いてゆく しばらく続けているとだんだんと綺麗になってくるので今日はこの辺で掃除を終わらせた 廊下だけに結構な時間がかかるのはいつものこと 盥の水を流すと土方副長の部屋に急いだ 「失礼します。」 「おう、入れ。」 返事が返ってきたので部屋に入るとここもまたいつものように煙が充満していた 換気をすればこもっていた白い煙が次々に外へと逃げて行く 「雛、お前ここにきて一週間たつだろ。」 「はい。」 換気をしていた私に机に向かったままの土方副長が語りかける どうやら今日は特に忙しいらしい いつもは一度振り返るくらいはするのだが筆から手を離さない 「こもりっぱなしじゃあ退屈だろ。 気晴らしに明日でかけてこい。」 はい……? どういう風の吹き回しでしょうか。 あの鬼の副長が……休み時間でさえろくにくれたことがなかった土方副長が出かけてこいだなんて。 確かにここへ来て一週間たちますが……。 土方副長のおかげで特に退屈もしてませんし気晴らしもしなくていいです。 しかしとりあえず明日は出かけないといけないようだ
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