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「野口さん、失礼します。」
「はい、どうぞ。」
返事が返ってきたので部屋に入り、お茶を淹れた湯のみを渡す。
「ありがとうございます。」
「それで、どうして私なんかと話がしたかったんですか?」
「ふふ、だって年が近いから。
ここにいる人はみんな大人ばかりなんですもん。
永倉さんがいい子だっていってました。
だからお話ししてみたいと思って。」
なるほど。
確かに永倉さんと野口さんは仲がいい。
「へぇ、永倉さんとは古い仲なんですか?」
「はい、まあ。以前から同じ道場で練習してたんです。」
それなら芹沢派の野口さんと近藤派の永倉さんが仲がいいことにも納得ですね。
「そうなんですか。
野口さんは剣の腕がすごいんですよね。
免許皆伝の腕前だとか。」
「え、どうしてそんなこと…。」
「ふふ、それはもちろん
永倉さんから聞いたんですよ。」
「永倉さんから?」
「はい。野口さんはいい人だし、年が近いからきっと気が合うって言ってました。」
このときもなぜ2人が仲がいいのか
疑問に思っていたのだが。
「確かに年が近いと話しやすいですよね。」
野口さんはほんわかした、
一緒にいると和ませてくれるような、いい人なのだろう。
少々抜けている所もあるが…。
まあそれも和ませてくれてくれる理由なのだろう。
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