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昼餉が終わり、掃除をしていると、副長の部屋から声が聞こえてきた。
「しかし、雛が忍だったとはな。」
「怪しすぎるだろ!
絶対間者だって!」
「総司…、まだそうとは決まってねぇだろ。」
「だいたい怪しいと思ってたんですよ。」
「けど、別に信じなくてもいいとか言ってたじゃねぇか。
普通間者なら気に入られようとするんじゃねぇの?」
「そんなんだから、平助はすぐに騙されるんだよ。」
「なんだよ、それ。」
「まあ、様子を見ればいいんじゃねぇ?」
「俺も左之に賛成だな。
悪いやつにはみえねぇし。」
「確かに、普通の女子ですよね。
仕事も真面目にこなしてますし。」
「そこなんだよな。
山南さんのいうとおり、あいつは気遣いもできるし。
絶対いいやつだって。」
「永倉さんは絶対騙されてるんだよ!」
「しかし壬生浪士組ができて間もない、それもあまり有名でもないこの時期に間者などいるのだろうか。
歳、どう思う?」
「まだわからねぇな。
だがもし間者じゃねぇとすればあいつを野放しにしておくのは後々厄介になるかもしれねぇしなぁ。」
あぁ…。
これはバレれば面倒くさそうです。
こういうときは気配を消して立ち去りましょう。
すぐに立ち去り、他の場所から掃除を始めた。
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