第9章 忍のココロ

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ーーーー・ーーーー・ーーーー 「へぇ、大変なんですねぇ。」 「素晴らしいほどに他人事ですね。 まあ構まいませんけど。 あ、拗ねているわけではないです。」 結局、聞き耳を立てていたところを偶然烝さんに見つかってしまい、今に至る。 「というか、会議って試衛館派の方だけでするんですね。 みんなで集まったりしないんですか?」 「多分あれは自然に集まってきたというか。 集合はかけてませんよ。」 「それなのにあれだけ集まってきて議論するんですか。 恐ろしい方たちですね…。」 「沖田さんも相当悔しかったんですね。」 「やっぱり、男の方は立てるべきだったんでしょうか。」 「いえ、あれは自業自得だと思います。」 会話をしながらも手を動かし、掃除を進める。 少しの範囲でも一苦労だ。 「それで、水戸派と試衛館派っていつ頃から分かれているんですか? そもそも、いつ頃から京にとどまっているのですか?」 「私の聞いた話だと、派閥は始めからあったようですよ。 気があったので芹沢局長のお手を借りてとどまっていられるのだとか。 俺はまだ京にとどまって日が浅いと聞いています。」 「では今年からでしょうか。」 「はい、そうなりますね。」 「なるほど。 私があんなに疑われるのもわかった気がします。」 「あはは。まあ、そのうち慣れますよ。」 信じてもらえますよ、ではないんですね。 「烝さんは試衛館派ですか?」 「そうですね。 俺は土方局長について行くと決めたので。」 「へぇ。また、どうして?」 「それは秘密です。」 「秘密、ですか。」 まあ、人には言いたくないこともありますよね。 「もう話は終わったんでしょうか。 あっちはまだ掃除が終わっていなかったのに。」
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