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烝さんが行ってしまうと、再び掃除を再開した。
信じる、か。
私は人を信じたことがないというのに、よく信じるなんてことできますね。
『誰かに信じられたいなら、まず自分が信じろ。』
なんて言いますが、そんなことありませんよね。
それとも、烝さんは私に信じて欲しいとでも思っているのでしょうか。
………さすがにそれはないですね。
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…………人なんて。
人なんて何を考えているかわからない。
口ではなんとでも言える。
たとえ心にもない言葉であったとしても簡単に言えるんだ。
優しい振りをしておいても心の内までは知れないのだから。
そうやって騙そうとする人たちには何度も出会ってきた。
もっとも、私が騙されることなどありはしない。
そもそも私は信じてはいなかったのだから。
誰かを信じることほど馬鹿らしいことはない。
と、私はそうおもう。
他の人の考え方など私には理解出来ない。
私は幼い頃からずっとそうしてきた。
今更この考え方が変わることなどありえない。
これまでも、これからも。
私はそうやって生きてきたのだから。
第9章 忍のココロ -end-
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