第10章 歓迎会という名の宴

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片付けを終えるとすぐに部屋に向かう。 「失礼します。」 「ああ、入れ。」 部屋に入ると、いつものように煙草の煙が充満していた。 私も換気を始めるのだが、これもいつものこと。 私も副長も何も言わない。 「それで、何の話ですか?」 「ああ、最近新しい隊士を連れてきたのを知っているだろう?」 「はい、14人ほどだと聞いています。」 確か、発足時は22人ほどだったとか。 「ああ。 実はまだ歓迎会もしてねぇから、考えていたんだが。 今夜宴会を開こうと思ってな。 宴会の準備を頼まれてくれねぇか?」 へぇ、宴会ですか。 みなさんどのくらい飲むんでしょう。 「はい、わかりました。 お酒はどのくらい用意しますか?」 「お前に任せる。 芹沢さんたちは島原に行くらしいから五人ほどいねぇが。 まあ、左之、新八辺りはよく飲むな。 買いに行くときは平助にでもついて行ってもらえ。」 島原って…。 まさか私が来たときにいなかったのは島原に行っていたからではないですよね…? 「わかりました。 それでは宴会にどれくらいお金を使うつもりか教えて下さい。」 「豪勢にするほど金はねぇからできるだけ安く済ませて欲しいが…。 ああ、勘定方がいるからそいつに相談してくれ。」 「はい、わかりました。 それでは失礼しますね。」 「おう、頼んだぞ。」 「はい、任せてください。」 にっこり笑ってから退室した。
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