第10章 歓迎会という名の宴

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そうして勘定方、河合さんの部屋を訪れていた。 「河合さん、失礼してもよろしいでしょうか。」 「はい、どうぞ。」 すぐに返事が返ってきたので襖を開けて部屋に入る。 「実は今夜、宴会を開くそうで副長に準備を頼まれたんです。 どのくらいなら宴会にお金を使えそうですか?」 「そうですね、お酒代と食費がありますから…。 このくらいでしょうか。 副長に確認してきますね。」 「はい、ありがとうございます。」 部屋を出て行った河合さん。 金庫を見らずに予算を出してしまった。 さすが、というべきか。 部屋に残された私は、改めて部屋を見回す。 綺麗に整頓された部屋は埃が一切なく、隅々まで掃除が行き届いている。 勘定方にはそういう管理ができる人が向いているのだろうか。 これは後から聞いた話だが、河合さんは家が商人だったらしい。 そのため、勘定役になったのだとか。 しばらくすると、襖が開く。 襖を開けた河合さんが部屋に戻ってきた。 「はい、だいたいこのくらいですね。 お釣りがあれば戻してくださいね。」 河合さんにお金を手渡された。 「はい、もちろんです。 それでは買い出しに行ってきますね。失礼しました。」 「はい、よろしくお願いします。」 それから部屋を出た私は、すぐにあの人の部屋に向かった。
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