第10章 歓迎会という名の宴

6/19
前へ
/525ページ
次へ
少しして藤堂さんもやってきた。 「悪りー、遅くなったな。」 「いえ、突然お願いしたりしてすみません。」 「おう。 じゃあ、行くか!」 「はい。」 そうして門を出た。 ーーーー・ーーーー・ーーーー 「酒はこれくらいでいいだろ。」 これくらい…? すごい量ですよ、それ。 「はい、それでは帰りましょうか。」 もちろん口には出さなかった。 「おう。」 あれから私たちはいろいろなお店を周り、できるだけ安く買える場所を探した。 だいぶ時間が経っているだろう。 暮れ六つの鐘が聞こえてくる。 少し急いだ方が良さそうだ。 「もうすぐ暗くなるな。 雛ちゃん、急ぐか。」 「はい。」 お、重い…! 「え、藤堂さん?」 「急ぐんだろ?」 藤堂さんは私から荷物をとりあげていた。 「ありがとうございます。 すみません、荷物持ちまでやらせてしまって…。」 「いいっていったろ。 男ってのはこういうときのためにいるんだから。」 さすが色男は違いますね。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

877人が本棚に入れています
本棚に追加