第10章 歓迎会という名の宴

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というわけで私は戦場に向かった。 「あとは5人ですね。」 「なんだぁー? 斎藤と総司はもう寝てしまったのかー。」 多分2人ともフリでしょうけど。 「はい、それでは続けましょうか。」 「おー、そうだな!」 原田さんはだいぶ酔われているご様子。 もう少し、もう少し…。 「10杯目ー!」 もう少し。 「11杯目ー!」 もう少し…。 「12杯目ー!」 も、もう少し…? 「13杯目ー!」 私は原田さんのお酒に戻していた。 ちなみに烝さんも。 烝さんは永倉さんのお酒に足していた。 「14杯目ー!」 永倉さんが叫ぶ。 《 バタッ 》 ついに原田さんと永倉さんが倒れてしまったようだ。 「ああ、こんなに飲み過ぎると体に悪いんですよ。」 そんなことを言いながら近づいて原田さん、永倉さんに近くにあった羽織をかぶせた。 「そういう雛は、原田さんのお酒に戻していたでしょう。」 「烝さんこそ永倉さんのお酒に足していたじゃないですか。」 「そうだっんですか?」 言い合いをしていると、唯一真面目に飲み続けた野口さんがびっくりしたように言う。 「野口さんはお酒にお強いんですね。」 「でも、2人が酔っているところを見て見たかったですね。 想像がつきません。」 「確かに雛が酔っているところ、見てみたいですね。」 烝さんはそう言ってニヤリと笑った。 え……。 まさか腹黒と呼ばれる類の方ですか? 「さ、飲みましょうか。 雛さん。」 さんがついてます…。 めちゃくちゃ眩しい笑顔でこちらを見てます…。 こういうときってどうするんでしょう。 ……もしも腹黒に遭遇してしまったら。
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