第10章 歓迎会という名の宴

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朝餉を食べて、全員のお膳を片付ければ今度は洗濯だ。 何時ものように縁側でたらいに水を張り、洗濯板に袴を擦り付けていると副長がやって来た。 「雛、ちょっといいか?」 「あ、はい。 すぐに終わらせますね。」 「いや、そのままでいい。」 私が片付けようとすると、副長は隣に座って言った。 「そうですか?」 「ああ。」 「それで、どうなさいましたか?」 さすがに洗濯をしながら聞くのは失礼だと思い、手を止め話を聞く。 「宴会のこと、礼を言う。 片付けも全てやらせてしまって悪かったな。」 「何言ってるんですか。 言ったでしょう、私は副長の手助けをしただけです。 宴会は全て副長が準備をしたんですよ。」 「いや、これは全て雛がしたことだ。」 「ふふ、全然気にしなくていいのに。」 「それじゃあ俺が気が済まねぇんだよ。」 「それならそういうことにしておきます。」 「おう。」 ……………? 用事は済んだはずなのに一向にその場を動こうとしない。 「副長………? まだ何かあるんですか?」 「ああ、実はな。」 本題はこちらのようだ。
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