第11章 新しい主

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それは、ある日の昼餉後の出来事。 「雛、巡察に行ってこい。」 副長は、私が台所で皿洗いを終わらせたところに来て告げた。 「どうして私が?」 「あれからまだ一回も外に出てねぇだろ。」 あれから、とは忍5人組につけられていたときのことだろう。 「まあ、そうですけど。」 「副長助勤が付いていれば安心じゃねぇか。」 「………はい、わかりました。」 おとなしく返事をしておきましょう。 おそらく私に拒否権はないでしょうし。 「今日は平助が巡察の日だ。 念のため男装して行けよ。 袴は平助に借りればいい。」 「はい、そうします。」 それから副長と別れ、藤堂さんを探すことにした。
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