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「すごい、綺麗ね!」
「はい」
春の暖かい日差しの中、少女は子どものように無邪気な笑顔で振り返った。
靡く髪を抑えて笑う彼女は、普段はこのような景色を見ることがないのだろう。
なんでもないような草原を、嬉々とした顔で眺める。
「……もう、行きましょうか」
寂しげな表情を残しながら彼女は言うと、もうひとり、黒の制服に身を包んだ少女は微笑みながら頷いた。
二人の少女らはただ和やかに過ぎる一時の時間を噛み締めていただろう。
このときまでは。
次の瞬間、穏やかに靡く草原に大きな銃声が響いた。
二人の時間が一気に揺らぎ始める。
はてさて、これから彼女らの行く末はーー。
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