第5章 新しい朝

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普通ならあり得ないと思うが、私は昨日からなぜか幹部の人たちと食事をしている。 そんなことを考えていれば漸く土方副長も席についたようだ。 「みんなおはよう。 それでは今日も源さんと雛に、それからみんながそろって食事ができることに感謝をしていただくとしよう。 いただきます!」 「「いただきます!」」 近藤局長の長い長い挨拶が終わるのを待ち望んでいたように、隊士全員が声を合わせて言った。 おぉ、みなさん元気がいいですね。 「いただきます」 隊士の様子を眺めてから私もいただくことにする。 朝餉は味噌汁に煮物に沢庵を作った。 ……もちろん沢庵は切るだけだ。 隊士の作るものよりはいくらかいい出来になったはず。 「お、雛が作る飯はうまいな!」 「えと、左之さんですよね。 ありがとうございます」 一応名前を確認しておく。 実は自己紹介をしてもらってないから名前がわからない。 「ああ、自己紹介してなかったな。 俺は原田左之助だ、よろしくな!」 「原田さんですね。 よろしくお願いします」 私が挨拶をしていると私の隣にいる、例の叱られた子犬状態になっていた彼が入ってきた。
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