第5章 新しい朝

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考えるのをやめ、台所へ向かい皿洗いを始める。 まだ隊士は少ない方だと思うが、それでも結構な量の皿がある。 それに湯のみやら箸やらがあって大変だったり。 暫くして全て洗い終わると漸くひと息ついた。 皿洗いが終わると次に待っているのは洗濯だ。 おそらく洗濯の方が時間がかかる。 素早く皿を拭いていき、それを片付け終えると水汲みに向かった。 実はあまり井戸を触ったことがないため、始めて水汲みという作業をする。 う、結構重いですね。 井戸に取り付けらている紐付きの桶のようなものを垂らし、水を入れたのはいいものの持ち上がらない。 私は思っていた以上に非力だったようだ。 「なにしてるんですか?」 刺すような視線に振り返ればそこには私を睨みつける一人の隊士の姿があった。 「えと、沖田さんですよね」 「そうですけど」 そう答えると沖田さんは眉を潜めた。 何か不満なことでもあったのだろうか。 まさか名前の呼び方とか? 「何故あなたが知っているのですか? 君に名乗った覚えはないのですが」 ……すっごく睨んでます。 なるほど、なぜ知っているのか疑問に思ったわけですね。
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