第5章 新しい朝

17/21
前へ
/525ページ
次へ
「それでは私にわからないことがあれば教えてくださいませんか? まだ来たばかりで慣れていなくて」 「はい、なんでも聞いてください。 雛はどうしてここに来たのですか?」 この質問でピンときた。 やはり土方副長に頼まれたらしい。 普通なら監察対象に姿を見せることなどありえない。 だがここにいるということはあの人にそれを許してもらえているから。 おそらくこの人は土方副長の絶対の信頼を得ている。 とここまで考えてみるが間違えていたらかなり恥ずかしい。 しかしあの土方副長の認めた忍だ。 それなりに実力もあるはず。 あんなに硬派な土方副長に私が認めてもらうときがくることはないだろう。 そういう面で考えるとやはりすごい人なのかもしれない。 「私がここに来る前にお世話になっていた方がいたのですが……亡くなりました」 これ、何回話すのでしょうか。 まだ話す機会がある気がします……。 とりあえず適当に話すわけにもいかないから前に土方副長の前で話したことをそのまま伝えることにした。 「それで行く当てもなく歩いていました。 そうしていたら突然雨が降ってきて……」
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

876人が本棚に入れています
本棚に追加