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というわけで思ったことをそのまま口にした。
「なるほど、二つも仕事を任せられるくらい優秀なんですね」
「…………」
おそらく反応に困っているであろう山崎さんはそのまま固まった。
今日は朝から何度この空気を体験しただろうか。
私がこの空気を作っているのでしょうか?
それとも元々こんな感じなのでしょうか?
あんなことを言えば当たり前なのかもしれないが、黙ったままの山崎さんになんと声をかけようかと迷う。
すると再び誰かの気配がこちらに近づいてきた。
「あー、腹減ったー。 雛ー、昼餉のおかずはなに作ったんだー?」
どうやらこの気配の正体は原田さんだったようだ。
「……おう、邪魔したか?」
「いえ、問題ありませんよ。 それでは失礼しました」
言いながら原田さんの横を通りすぎて行く山崎さん。
本当に用事はそれだけだったようだ。
てっきり朝のことを注意されるのかと……いやでもあれは土方副長が起きなかったならだしそれはない。
おそらくずっと上にいたのも山崎さんでしょうし。
というのもあのときの気配が山崎さんのものと似ていたからだったりする。
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