第6章 筆頭局長

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「して、お前はなぜここにいるのだ? 知っていると思うがここは女人禁制だぞ」 大方片付くと芹沢局長に問われる。 やはり誰もが思うことなのだろう。 実際に私もここに住むことになるとは思っていなかった。 「はい、私は行く当てもなくこの京をさまよっているときにここの隊士の方に拾っていただきました」 芹沢局長に向き直り質問に答える。 芹沢局長にはきちんと説明しておかなければ後々困るだろう。 丁寧に伝わるよう、言葉を選びながら話し始めた。 「私には身寄りがいなく、今まで旅をしてきました。 そのことを話したら暫くこちらに置いていただけることになったので、ここで女中をやらせてもらっています」 より伝わりやすく簡潔に……を目指して最後まで説明した。 それを聞いた芹沢局長も口を開く。 「なるほどな、近藤のやりそうなことだ。 だが土方はそれを許したのか?」 やはりそこですよね……。 そこのところどうなのでしょうか。 「俺は認めねぇ」とか言われちゃってますけど……。 「……わかりません。 近藤局長にはお許しをいただきましたが土方副長には……」 な、なんて言えば……!? お許しいただいていません? そんなことを言ってしまえばなんでお前がいるんだってなりますよね……?
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